不妊や流産を経験された方が多く来院される中で、
私はいくつかの共通点を見つけました。
① 共通点:圧倒的にお腹が硬い
多くの方に触れて感じるのは、
「便秘」などの張りではなく、まるで石のように硬いお腹だということ。
これでは生殖器の機能が落ちてしまい、
胃腸の働きも低下して免疫力や気力まで奪われてしまいます。
仮に妊娠しても、
お腹の中がガチガチに固い状態では、
胎児にとっては“居心地の悪い住処”のようなもの。
その結果、流産や切迫早産につながるケースも少なくありません。
もちろん、これは私自身が日々の診療を通して感じている独自の視点です。
けれど、目の前の現実として「お腹が硬い方ほど妊娠しづらい」というのは
臨床で確かに感じていることです。
② 共通点:「子供が欲しい」と強く望みすぎる
もう一つの共通点は、
「子供が欲しい」と強く望みすぎてしまうこと。
その気持ちは、痛いほど分かります。
ずっと待ち望んできた命だからこそ、思いは強くなる。
けれど、その「強すぎる思い」は、
時に体と心を硬くしてしまうことがあります。
今、自分の顔を鏡で見た時、
「幸せそう」「可愛い」「充実してそう」
そんな表情をしているでしょうか?
関係ないように思えて、
実は感情こそ妊娠には大きく関係しています。
お母さんの感情によって、
ホルモンバランスは大きく変わるからです。
「なぜできないんだろう」
「私が悪いのかな」
「もう疲れた」
そんな心の緊張の中では、
体もまた“守りの姿勢”になってしまう。
そして時に、
胎児が「お母さん、気づいて」と言わんばかりに
命と引き換えにメッセージを残していく──
そんなケースもあるのです。
③ 鍼灸でできるサポート
鍼灸では、硬くなったお腹や骨盤内の筋肉をゆるめ、
血流と神経の巡りを整えることで、
体が「安心できる状態」を取り戻すサポートを行います。
その結果、
・冷えの改善
・睡眠の質向上
・気持ちの安定
といった変化が少しずつ現れます。
妊娠を“作る”のではなく、
妊娠しやすい土台を育てる。
それが、鍼灸の本質的な役割です。
④ 「お腹と心の余裕」が妊娠の土台をつくる
「子供はできたらいいよね」
そう思えるくらいの心の余裕が、実はとても大切です。
子供以外のことで心を満たす時間──
旅行でも、美味しいご飯でも、好きな香りでもいい。
その一つ一つの“小さな幸せ”が、
体と心の栄養になっていきます。
焦りを手放し、
「今を満たすこと」に意識を向けてみましょう。
それが結果的に、
未来の命を迎えるための一番の準備になるのです。
⑤ まずは体を緩めることから始めましょう
